株式

先週末終値で日経平均株価は19,435円で終了しました。

なぜ、ここまで暴落したのか?

一般アナリストの見解は、中国の景気減速が引き金となった世界同時株安で日本にも飛び火したとの見方を示しているようです。もちろん、中国の景気減退の影響もあるとは思いますが、私は先日に発表された日本のGDPが年率マイナスの結果に終わったことが大きな要因となっている気がいたします。

アベノミクスから2年か3年が経過しましたが、GDPが年率マイナスなどという結果は誰も想定していませんでした。GDPマイナスの結果を受け、アベノミクスは失敗したと判断されたのではないでしょうか。

今後の日経平均株価についてですが、公務員年金やGPIFが投入されたレンジは詳細には把握しておりませんが、15,000円は死守するのではないかという気がしております。それを考えると、当面は16,000円~17,000円を目指す展開になってくるのかもしれません。

10月にこのあたりで下げ止まれば、徐々に回復していく可能性も残されておりますが、逆にここを一気に割り込んでくるようだと12,000円まで視野を入れておくとよいでしょう。

気になるのは為替の状況ですが、日経平均に連動したのか円高になってきております。120円を割り込むのも時間の問題と考えておりますが、インフレ2%達成ももちょっとあやしくなってきたふいんきがします。

いずれにしましても、少なくても10月半ばぐらいまでは様子見しないで市場から離れるのがよいかもしれません。様子見してると買いたくなってしまいますが、どこが底なのかは想定しずらい状況になってきたようです。

中国株式市場では約1300社の売買が停止しているようです。大株主は株を売買することが半年停止され、なりふりかまわず暴落を阻止しようという動きが顕在化していますが、中国バブルの崩壊の引き金が引かれた形になりました。

また、原因は不明ですが、ニューヨーク株式市場でも売買が停止されており、不穏な憶測が流れています。

果たして、世紀の大暴落となるのか、あるいはソフトランディングで落ち着くのか、いずれにしても今週はリスクオフの局面になりそうです。今、リスクオフしないでいつするのか?今でしょ!というぐらい、まさにリスクオフするのタイミングといえます。

けれども、個人投資家のなかには簡単なことでもなかなか踏み切れないケースが実に多いのです。また、実際にリバウンドするケースもありますので、明日の朝、リスクオフするべきといっているわけではないのですが、日経平均2万円割れとなった今、下が19000円で止まるのか、あるいは18000円までいくのか、または行き過ぎてしまい、17000円までいくかもしれません。

個人的には、16000円から21000円まで5000円上げてきましたので、半値2500円戻しのズバリ18500円と読んでおりますが、半月程度の時間をかけてズルズルと落ちそうな気がしております。

ただ、半年後に中国市場で売買が解禁になった際、あるいはギリシャ危機がユーロ全体に波及し、離脱する国が続々と出てくる懸念もあり、円高の局面によっては全戻しの16000円、あるいは14000円までいくことになるかもしれません。

いずれにしても、年金資金がリスクオフする懸念も残されており、図体が大きいだけに、一昨年の5月のような急落も考えておく必要があるといえるでしょう。

大手電気関連の銘柄でストップ安が同時に発生しています。シャープは減資報道で、東芝は不適切な会計処理の影響で大幅に株価が下落しているようです。

シャープについては99%減資をするとの報道がなされており、こちらはシャープ側は正式に発表しておりませんが、もし実施されるとなると資本金が1億円の中小企業並みの規模になります。
この減資は既存株主の利益を棄損するものではありませんが、その後の増資懸念などもあり、1時はストップ安の178円まで売られる結果になりました。

一方、東芝についてですが、こちらは不適正会計です。過年度も関係する可能性のあり、これによって決算を延期しており、配当も無配となりました。調査が長期化した場合、監理銘柄に指定される可能性もあるため、ストップ安をつけました。

一方、日経平均株価は若干回復してきており、19500円台を回復しています。

シャープの正式発表は14日が予定されておりますので、木曜日ということになるでしょうか、どのような再建案が出されるのかに注目が集まりそうです。
東芝につきましては、第三者委員会が設置されるとのことで、そちらの様子にも注目していく予定です。

現在の国債利払い費は約10兆円規模となっておりますが、国の税収50兆円のうち、約20%を占めている状況になっています。単純に考えると、年収50万円の人に1000万円の借金があり、利息のみで毎年10万円が消えてしまい、償還分などを含めると借金返済のみで23万円が消えてしまう計算です。

年収50万円では一般的ではないので、10倍の年収500万円で計算し直しますと、1億円の借金があり、利息のみで毎年100万円かかるといった感じです。そのほか、社会保障費だけでも年間300万円がかかってしまうため、新たに400万円程度を借り入れてやりくりしている状況となっています。

現状では利率が低いからいいものの、税収不足による返済能力への懸念やインフレの影響により、万一でも利率が高くなってしまった場合、利息の支払いのみで収入の数割をもっていかれる事態になるかもしれません。もし、そうなってしまった場合、新たな国債発行ができなくなり、財政が破綻してしまう可能性があります。

個人で多重債務に陥っている場合、少しでも返済にまわすため、仕事をかけもちするとかして収入の道を増やし誠意を見せるのが普通です。

国の場合は税収ということになりますが、消費税増税の延期を決めたことで、税収を増やす気持ちがないんじゃないのか、本当に返す気があるのか?踏み倒す気ではないのか?という懸念が出てきた場合、国債が暴落し利率が上昇してしまう可能性があります。

もしそうなった場合、利息の返済が重くのしかかってきて、財政破たんということにもなりかねません。

ただ、日銀が今後も買い続けることで特に問題は発生しないような気もしております。海外には利息もキャッシュアウトしませんので、国内で循環してくれれば特に問題はなさそうな感じもします。

一方でデフレからの脱却、インフレ目標2パー、そして円安、株高と続いてきていますが、肝心の税収が100兆円規模にまで伸びてこなければ、現状を維持できる健全な財政にはならないものと思われます。

仮に財政支出を半分に抑制した上で税収を倍にし、毎年50兆円を国債の返済にまわしたとしても、完済までに20年ぐらいはかかってしまうものです。これは現実的ではありませんので、おそらく誰も完済しようなどと考えている人はなく、どこかの時点で、いずれは踏み倒す必要性が出てくるものと思います。

国債チャートを見てみますと、上昇の角度が平成10年前後から急になってきています。

小泉政権の聖域なき改革によって、一時的には歳出を減らすことができた時期があるものの、リーマンショックでまたぶり返し急角度で上昇してきています。もしかすると破綻しないかもしれませんが、いずれは破綻する可能性もけっこうあるということを視野に入れておく必要があるのではないでしょうか。

来るべきXデーに備え、私たちが今できること。

土地や不動産などの購入という選択肢もありますが、外貨預金などをしてリスクを分散させておくのが一番いいような気がしております。小銭からでもはじめられる外貨預金がありますので、こつこつ分散投資していくことをおすすめします。

株価が急上昇した際などは売り禁の状態になりますが、同時に増担保による規制も入ることが多く、株価が急落してしまうケースが多いです。この段階で一時的に相場は落ち着く傾向にありますが、売り禁の解除や増し担保の解除がきっかけとなり、再度、急騰することもあります。

この増し担保解除の条件について、東証では以下のような記述がされています。



Ⅲ.解除基準
次に掲げる(1)及び(2)の基準のすべてに該当した銘柄については、委託保証金の率の引上げ等の措置を解除する。

(1)残高基準
次のイ.及びロ.のすべてに該当する場合
イ.5営業日連続して売残高の対上場株式数比率が12%未満である場合
ロ.5営業日連続して買残高の対上場株式数比率が24%未満である場合

(2)株価基準
5営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が15%未満である場合

(3)特例基準
(1)及び(2)の基準のすべてに該当している場合であっても、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した期間は措置を解除しないことができる。

■参照:信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等に関するガイドライン(平成25年1月1日改正)



まず、売残高と買残高の上場比率が条件になりますが、東証のホームページにて、「個別銘柄信用取引残高」という箇所がありますので、そちらの方で主要な貸借銘柄についての残高を確認するとよいでしょう。

ポイントは5営業日連続してという点にありますが、毎日チェックしておき、解除が予想される日の数日前あたりには仕込んでおくかを検討するとよいかもしれません。増し担保の解除により、資金が入りやすくなってくることになりますので、再度、急騰していく可能性もあります。

また、ふたつ目の条件に乖離率15%未満というのがありますが、これは証券会社のツールで確認できます。日足でのチャートを表示してみて、25日線の乖離率が115%以内に入っていることを確認するとよいかもしれません。日足で25日線の価格を計算してみて、単純に1.15倍すれば、それが解除が想定されるラインになります。

この乖離率がクセもので、再度急騰して15%以上の乖離率となった場合、増し担保解除の条件からはずれてしまいます。5日連続してということなので、カウントがまた最初からやり直しになります。

逆にいえば、売り方にとってみれば、乖離率を15%以上にすれば、増し担保が継続される可能性も出てきますので、一時的に15%以上急騰した方が好都合という見方もあるかと思います。

このあたりの思惑が交差し、解除前にはボラティリティーの高い、値動きになる可能性もありますので、「15%」を目途に株価がいくらまでなら伸びる余地があるのかを確認しておくとよいでしょう。

私は終値ベースとうことで把握していますが、このソースが探しても見つかりませんでした。日中に1回でも15%を乖離すればNGというわけではなく、終値ベースという認識でおりますが、この点は未確認です。

間違っている可能性もあるため、取引する際は自己責任にて、東証にご確認してみることをおすすめします。