アルミや銅の強度などのデータを改ざんしたなどとして、神戸製鋼所がメディアなどで話題になっておりますが、昨日はストップ安で取引を終了しております。東証1部でのストップ安はなかなか見られませんが、しばらくは影響が続きそうな雰囲気になっています。
つい先日、日産自動車の無資格検査により大幅に株価が売られる事態となりましたが、結局は逆襲線をつけ、株価にはそれほど大きな影響は見られませんでした。
けれども、神戸製鋼所の今回のケースの場合、200社以上の取引先に影響が出るとのことで中長期的に株価に影響が出てくる可能性があります。
参考になる事例としましては、タカタのエアバック問題と三菱自動車の燃費偽装問題がありますが、タカタは倒産したのに対し、三菱自動車の株価は回復する結果となりました。
タカタの場合はリコール費用が巨額になったため、倒産しましたが、神戸製鋼所の場合も自動車の部品に使用されているためリコールとなる可能性もあります。
一方、三菱自動車の場合は燃費偽装問題であったため、リコールはなかったものと認識していますが、エコカー減税などの保障で巨額な損失が発生しました。神戸製鋼所の場合も規格には適合しているとのことで、もし安全性への影響がないと確認されれば、リコールはないものと思いますが、海外企業から賠償金を求められる可能性も否定できません。
ここからは主観にはなりますが、もしタカタ型なら倒産、三菱自型なら再建と考えておりますが、今回の神戸製鋼所のケースは三菱自型なのではないかという気がしております。
大きなポイントとして、人命に影響する可能性という点でタカタはアウトでしたが、三菱自動車の場合は燃費問題のためセーフでした。
神戸製鋼所については、自動車や航空機などに使用されており、人命に影響する部品ではありますが、現在のところは事故報告などはありませんし、会見を見る限り法的規格についてはきちんとしている印象がありました。
まだ取引先による安全性の確認がされている最中かと思いますが、一時的には株価が暴落するものの、安全性の確認がすめば株価は回復しそうな印象も感じております。
ただ、年金資金が入っているかと思いますので、コンプライアンス違反のある銘柄であれば、売られてしまう可能性もあります。もし、大口の機関投資家が保有割合を減らすのであれば、バケツリレー状態でしばらく株価は低迷するかもしれません。
加えて、三菱自のケースでもそうでしたが、後から次々に悪材料が出てきましたので、まだ全力で出し切っていない可能性もあります。おそらく、悪材料を小出しにすることで、またかという状態になれば、みんながあきれ果ててしまい、もう何も驚かない状態になりますので、その頃合いを見計らって一気に悪材料を出してくる可能性も否めません。
現段階ではまだ不明ですが、去年もグループ会社で改ざんの不祥事があったばかりですので、まだ何かを隠している可能性もあります。
このあたりの思惑が重なり合って、当面は個人投資家からの注目が集まっています。