株式

延期になっていたスルガ銀行の調査報告書ですが、公表されたようなので読んでみました。懸念していたのは、日経の「不適切融資1兆円」という強烈なキーワードについての詳細ですが、特に何も書かれていなかったように感じてます。

また、ロイターの記事によると、委員長が会見にて「不適切融資が1兆円規模に上るとの一部報道についても「そういう認定はしていない」と否定した。」とあります。会見動画が公開されていないため、詳細は不明ですが、「そういう認定はしていない」という回答があったのかもしれません。

この否定があったからか、いつの間にかメディアは一斉に1兆円いわなくなってしまいましたが、スルガ銀行バッシングのトレンドは未だ継続中のような雰囲気はあります。

報告書について要約の方を読んでみましたが、特にめぼしい情報はなかったので全部を読むのはやめました。

あとは金融庁の処分内容次第かと思われますが、現時点でも「スルガ銀は現在、新規の不動産融資の実行を事実上、止めている。」との報道がありますので、これ以上の厳しい処分が下るのかに注目が集まっています。

ひとまず、峠は越えたように感じますが、新たな悪材料があるのかないのか、また貸倒引当金はどのくらいの追加規模になるのかなど今後も予断を許さない状況が続いております。

ネガティブな材料が相次いでいるスルガ銀行ですが、先月末までと言われていた調査報告書の提出が延期されたようで、発表は9月7日に予定されているようです。

調査報告書の内容と金融庁の処分の内容によって、業績に影響が出てくるものと思われますが、現時点ではどの程度の影響が出ているのでしょうか?

直近の2018年8月9日の決算書から見ますと、2019年3月期第一四半期の経常収益は35,268百万円となっており、前年同月比で7.0%のマイナスで既に影響が出始めている可能性があります。

また、個人預金も1,486億円程度が減少しており、全体では2,164億円の減少で4兆円を割り込む事態にまで発展してきました。利益への影響も出てきており、純資産は微増する程度に留まっています。

ただし、2019年3月期第1四半期の純資産347,178百万円を232,139,248株で割ると、約1,495円となりますので、先月の時点では1株当たりの純資産は1,495円程度と言えるかと思われます。

この金額をどう見るかについてですが、現状のままで会社を精算するのでしたら、現在の株価には魅力を感じています。

先日、上場廃止となったソルガムでもPBR0.7程度で終了しましたが、計算力の精度が高い銀行の帳簿には一定の信ぴょう性があると考えられますので、万一、精算で上場廃止となった場合、同程度まで急騰する可能性があります。

倒産や破綻といった懸念から空売りが大量に入っていますが、不良債権がそれほど大きくならない状態で上場廃止となった場合、理論上はPBR0.7~0.9ぐらいまで急騰するかと思いますが、ぼくはそのようなのを見たことがありません。

そのような意味で、調査報告書の内容に注目が集まってきています。

先日のスルガ銀行の不適切融資1兆円の件についてですが、スルガ銀行側も委員会側も知らぬということで、情報源がどこなのか何だかあやしい雰囲気になってきました。

東証でも「第三者委員会の調査内容に関する不明確な情報が報道されているため」ということで注意喚起を出しているもようです。

ぼく個人の考えでは、当初はかぼちゃの馬車への融資で1200億円ぐらい、仮に担保価値なしでこの全額が焦げ付いたとしても、せいぜい数年分の利益が吹き飛ぶ程度との印象でした。地銀トップレベルの収益力と3000億円規模の利益剰余金を考えれば、そう大した問題はないと考えてました。

住宅ローンは数十年単位でしょうし、仮に新規融資が停止したとしても、直ちに大きな影響はないだろうという認識でした。

けれども、これが1兆円規模ともなれば終わったなと感じたのですが、よーく見てみると「不適切融資」と書いてたみたいです。これで株を売却してしまった人が多いと思いますが、そもそも東証も不明確な情報といっていますし、誰が何の目的で流した情報なのか謎は深まるばかりです。

不適切というのは何がどう不適切だったのか、不正融資とは違うのか、またそれで焦げ付く可能性があるのか、そもそも不適切融資というのは実在する融資なのか、真相は調査報告書を見てみないとわかりませんが、いずれにせよ、今月中には調査報告書が提出される見込みとなっています。

メガネスーパーのビジョナリーホールディングスで株価が急落する事態が発生しているもようです。

大株主が株の売り出しを行うとのことで、希薄化は生じないものの、大量の保有株が放出されることを懸念して大幅に株価が下落する事態となっています。つい先日の19日まで203円あった株価が、本日27日は一時116円まで急落しており、約10日程度で最大42%の下落を記録する形になりました。

株の希薄化はしないにも関わらず、大株主が株を売り出すことになった際、このような阿鼻叫喚の事態が生じることになってしまいます。いわゆる大株主の出口戦略と言われるものですが、大量に株を保有している場合、その価格では売れない事態になってしまうのかもしれません。

概ね、投資ファンドが入っている場合、材料を出しつつ、株価を急騰させたのちに一気に売り抜けるケースが多いと思いますが、今回のようにまだ売ってない状態で急落するのははじめてのケースでした。

一方で目を転じてみますと、日本の上場企業の大株主は日銀と言われており、今回のビジョナリーホールディングズで起こったハプニングは、日本株の小さな縮図ともいえる象徴的な出来事といえるでしょう。

まだ売りに出してもいない状態で、なおかつ株の希薄化も生じない状態でも、株を売りに出す情報が流れた際、株価が大暴落する事態が生じてしまうかと思います。

いっそのこと、日銀の保有株は消却してしまうのが一番かと思いますが、どうなんでしょうか。

今後もビジョナリーホールディングスの株価には注目していく予定です。

長きにわたって国会で争点となってきた森友学園問題ですが、今まさに終止符が打たれようとしております。安倍首相がフェイクニュースと揶揄していた朝日新聞がスクープをすっぱねたことにより、アッキード事件の様相は急展開を迎えることになりました。

客観的に見て、アッキーが元名誉校長をしていなかったとしたら、財務省も忖度のしようがなかったはずですし、財務官僚も自死することもなかったでしょうし、ここまで国会運営に支障をきたすこともなかったものと僕は見ています。

例えば、ぼくやあなたが名誉校長だったとして、財務省は8億円の値引きに尽力してくれたでしょうか?

その可能性は絶対にないと感じており、名誉校長が総理夫人だったからこそ、忖度が発動したのだろうと僕は考えています。そのため、決済文書にある「特殊性」というのは、ただ単にゴミが埋まっているという意味での特殊性ではなく、総理夫人が名誉校長だったという「特殊性」を意味しているのは国民なら誰しもが感じるところです。

もちろん、アッキーは学園創設のために利用されただけの可能性もあり、関与しているとは言えませんが、財務省が公文書を改ざんまでしていたとすれば、よほど隠したい事情があったからこそ書き換えたのだと考えるのが普通です。

その隠したかった事実とは何だったのか?

来週には明らかにされる予定ですが、結果如何によっては解散総選挙となり、アベノミクスが終焉を迎えてしまうことでしょう。

その結果、日経平均株価は1万円を割り込む結果となるのではないかと予想しており、来週の東京証券市場はリスクオフの展開を迎えるものとぼくは想定しています。