株価が急上昇した際などは売り禁の状態になりますが、同時に増担保による規制も入ることが多く、株価が急落してしまうケースが多いです。この段階で一時的に相場は落ち着く傾向にありますが、売り禁の解除や増し担保の解除がきっかけとなり、再度、急騰することもあります。
この増し担保解除の条件について、東証では以下のような記述がされています。
Ⅲ.解除基準
次に掲げる(1)及び(2)の基準のすべてに該当した銘柄については、委託保証金の率の引上げ等の措置を解除する。
(1)残高基準
次のイ.及びロ.のすべてに該当する場合
イ.5営業日連続して売残高の対上場株式数比率が12%未満である場合
ロ.5営業日連続して買残高の対上場株式数比率が24%未満である場合
(2)株価基準
5営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が15%未満である場合
(3)特例基準
(1)及び(2)の基準のすべてに該当している場合であっても、当取引所が信用取引の利用状況や銘柄の特性を考慮し必要と判断した期間は措置を解除しないことができる。
■参照:信用取引に係る委託保証金の率の引上げ措置等に関するガイドライン(平成25年1月1日改正)
まず、売残高と買残高の上場比率が条件になりますが、東証のホームページにて、「個別銘柄信用取引残高」という箇所がありますので、そちらの方で主要な貸借銘柄についての残高を確認するとよいでしょう。
ポイントは5営業日連続してという点にありますが、毎日チェックしておき、解除が予想される日の数日前あたりには仕込んでおくかを検討するとよいかもしれません。増し担保の解除により、資金が入りやすくなってくることになりますので、再度、急騰していく可能性もあります。
また、ふたつ目の条件に乖離率15%未満というのがありますが、これは証券会社のツールで確認できます。日足でのチャートを表示してみて、25日線の乖離率が115%以内に入っていることを確認するとよいかもしれません。日足で25日線の価格を計算してみて、単純に1.15倍すれば、それが解除が想定されるラインになります。
この乖離率がクセもので、再度急騰して15%以上の乖離率となった場合、増し担保解除の条件からはずれてしまいます。5日連続してということなので、カウントがまた最初からやり直しになります。
逆にいえば、売り方にとってみれば、乖離率を15%以上にすれば、増し担保が継続される可能性も出てきますので、一時的に15%以上急騰した方が好都合という見方もあるかと思います。
このあたりの思惑が交差し、解除前にはボラティリティーの高い、値動きになる可能性もありますので、「15%」を目途に株価がいくらまでなら伸びる余地があるのかを確認しておくとよいでしょう。
私は終値ベースとうことで把握していますが、このソースが探しても見つかりませんでした。日中に1回でも15%を乖離すればNGというわけではなく、終値ベースという認識でおりますが、この点は未確認です。
間違っている可能性もあるため、取引する際は自己責任にて、東証にご確認してみることをおすすめします。