国債チャートはXデーを指している

現在の国債利払い費は約10兆円規模となっておりますが、国の税収50兆円のうち、約20%を占めている状況になっています。単純に考えると、年収50万円の人に1000万円の借金があり、利息のみで毎年10万円が消えてしまい、償還分などを含めると借金返済のみで23万円が消えてしまう計算です。

年収50万円では一般的ではないので、10倍の年収500万円で計算し直しますと、1億円の借金があり、利息のみで毎年100万円かかるといった感じです。そのほか、社会保障費だけでも年間300万円がかかってしまうため、新たに400万円程度を借り入れてやりくりしている状況となっています。

現状では利率が低いからいいものの、税収不足による返済能力への懸念やインフレの影響により、万一でも利率が高くなってしまった場合、利息の支払いのみで収入の数割をもっていかれる事態になるかもしれません。もし、そうなってしまった場合、新たな国債発行ができなくなり、財政が破綻してしまう可能性があります。

個人で多重債務に陥っている場合、少しでも返済にまわすため、仕事をかけもちするとかして収入の道を増やし誠意を見せるのが普通です。

国の場合は税収ということになりますが、消費税増税の延期を決めたことで、税収を増やす気持ちがないんじゃないのか、本当に返す気があるのか?踏み倒す気ではないのか?という懸念が出てきた場合、国債が暴落し利率が上昇してしまう可能性があります。

もしそうなった場合、利息の返済が重くのしかかってきて、財政破たんということにもなりかねません。

ただ、日銀が今後も買い続けることで特に問題は発生しないような気もしております。海外には利息もキャッシュアウトしませんので、国内で循環してくれれば特に問題はなさそうな感じもします。

一方でデフレからの脱却、インフレ目標2パー、そして円安、株高と続いてきていますが、肝心の税収が100兆円規模にまで伸びてこなければ、現状を維持できる健全な財政にはならないものと思われます。

仮に財政支出を半分に抑制した上で税収を倍にし、毎年50兆円を国債の返済にまわしたとしても、完済までに20年ぐらいはかかってしまうものです。これは現実的ではありませんので、おそらく誰も完済しようなどと考えている人はなく、どこかの時点で、いずれは踏み倒す必要性が出てくるものと思います。

国債チャートを見てみますと、上昇の角度が平成10年前後から急になってきています。

小泉政権の聖域なき改革によって、一時的には歳出を減らすことができた時期があるものの、リーマンショックでまたぶり返し急角度で上昇してきています。もしかすると破綻しないかもしれませんが、いずれは破綻する可能性もけっこうあるということを視野に入れておく必要があるのではないでしょうか。

来るべきXデーに備え、私たちが今できること。

土地や不動産などの購入という選択肢もありますが、外貨預金などをしてリスクを分散させておくのが一番いいような気がしております。小銭からでもはじめられる外貨預金がありますので、こつこつ分散投資していくことをおすすめします。