FOMCが今月から利下げを開始することがほぼ確定しましたが、小幅なのか、大幅なのか、もしくは年内に合計で何%を予定しているのか、あるいは日銀も利上げするのかなど、不確定な部分が残されています。
前回の2006年の時のパターンでいえば、割と短期間に5%から0%への利下げとなりましたので、今回も半年から1年程度で大幅に日米の金利差が縮小するのではないかと懸念しております。
米国の利下げに加えて、もし日銀も利上げを実行した場合、日米の金利差が急速に縮小し、ダブルパンチで一気に1ドル120円台まで下落する可能性もあります。1年後、1ドル100円台になっていても、そうおかしな話ではありません。
その最初の利下げが今月から開始される予定ですが、例年、米国は9月に株価が下落する傾向があり、今年も株価が下落しそうな雰囲気が出てきております。本来、利下げは株価が上昇する方向に働きますが、今回は材料出尽くしで反応が弱めになるかもしれません。あるいは、円高で日経平均が下落し、それに連動して米国株の足を引っ張るような事態になるかもしれません。
もしそうなった場合、今年からNISAで投資をはじめた人にとっては、苦難のスタートになると思います。特に、円高によりドル建て資産への影響が大きく出てくるはずですが、日本の個人投資家はNISAで米国株に長期投資する人が多いものの、為替リスクをあまり理解していない人も多いのではと感じてます。
もし、今年の7月に1ドル160円でSP500などの米国株を買っていた場合、円高が120円台まで下がると、たとえ株価はトントンであったとしても、資産が25%減少する結果となります。そのまま損切りできず、塩漬けにしたのち、最終的には1ドル100円、さらに株価までも下落した場合、資産が50%減、80%減になる可能性も実際にあります。
この間にも米国株を損切りする人が出てくるでしょうし、米国株を売ったドルは円に換えるはずなので、ドル売り、円買いの圧力が強くなって、さらに円高ドル安が進む可能性もあります。
また、利下げによるドル安で米国のインフレが再燃しだした場合、制御不能な状態になってしまう可能性があるため、結果的に大暴落してしまう可能性も出てきます。インフレの再燃だけは避けたいところですが、この1年間は正念場となるかもしれません。