株式

10月27日の第50回衆議院選挙投開票の結果、与党が大きく議席を減らし、過半数割れの結果となりました。

今後、首班指名がどうなるのかが争点となりますが、万一、野党が協力して野田氏を推した場合、野田総理大臣の誕生となり、野田氏のもとで内閣が組閣されて政権交代が実現する形になります。

日本国憲法の第67条では「内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。」とあるため、総理大臣は必ずしも比較第一党である必要はありません。

日本国憲法の第67条

そのため、与党は過半数を握るまで連立政権を拡大する必要がありますが、今のところ、維新も国民民主も自公との連立は否定しています。また、もし仮に非公認で無所属となった議員を公認したとしても、絶対数が足りず、過半数割れとなる可能性が高いです。むしろ、非公認にされたことから、逆に野党に鞍替えしてしまう可能性すらあります。

そのため、誰が政権を握ることになるのか、予断を許さない状況となってきました。

今回の選挙結果は与党の惨敗となりましたが、単に裏金問題で自民党にお灸をすえられた一時的なものなのかといえば、そうではないと感じています。

自民党については、旧安倍派議員の多くは落選して分裂してしまった感があります。また公明党についても、支持母体である創価学会員が高齢化してきており、また、これまでカリスマ的な支持を得てきた名誉会長の池田氏も昨年に他界したことで、徐々に集票力が低下してきてます。

さらに、物価高を放置してきたことで高齢者からの支持も得られにくくなっていると思われますが、公明党の代表である石井氏も落選してしまいました。

与党では安倍氏と池田氏の2大カリスマが他界したことによる影響が、今回の衆議院選挙から徐々に出始めてきたといえるのかもしれません。

いずれにしましても、旧安倍派議員の多くが落選したことにより、アベノミクスは終了した形となりましたが、株価への影響が懸念されています。

総裁選で石破氏が当選したことにより、日経平均先物が2,410円の大暴落となりました。

先物大暴落

この時点でも歴代3位の下落幅ですが、下落率からいえば、まだ6%程度となっています。

先日のFRBの大幅な利下げで円高にふれるものと思いつつ、実際には高市氏が優勢になると逆に円安方向へ向かいましたが、その分は帳消しになって下がるものと思われます。さらに、FRBの利下げ分も円高になるとすれば、月曜日は大幅な大暴落になるかもしれません。

さらに、株価が大暴落すると、NISA国民からの反発があると予想されますので、石破憎しで総選挙の結果にも影響しかねません。

ただ、石破氏は高齢者からの支持が厚いため、政権交代までにはならないとは思いますが、多少は折り込むかもしれない雰囲気になりつつあります。

ご祝儀相場で暴騰する可能性もゼロではないものの、おそらくは総選挙で国民に信を問い、自民党が議席を確保した後になるのかもしれません。

個人的には、先日のFRBの利下げ分も合わせて、1ドル135円あたりまで下落するのではないかと予想しています。ただ、演説の内容がよかったですし、高齢者などからの支持が厚いため、株価が大暴落したとしても、政権交代までにはならないと考えてます。

FRBが0.5%の利下げを決定しましたが、まだ再燃の懸念もあるなか、利下げ幅を0.5%にするのは時期尚早だったように感じます。とはいえ、利下げペースについては、0.25%でも0.5%でもそれほど問題ではなく、最終的な着地点がどこになるのかが重要なポイントになります。

今回のFOMCでそのあたりの情報はあまり読み取れませんでしたが、参加者による見通しでは、2025年末時点の中央値は3.4%、2026年末時点では2.9%とのことです。若干高めになったように感じますが、おおむね、最終的には2.5%~3%前後で着地するとの見方になっているようです。

仮に、日銀の利上げを1%程度としますと、最終的な政策金利の差は2%程度となりますが、コロナ以前の2019年あたりの状況になるのかもしれません。

上段がドル円の為替レート、中段が長期金利の日米金利差、下段が日米の政策金利差ですが、政策金利の日米差はそれほど相関していてはいないものの、長期金利の金利差にはかなり反応しているように思えます。

しかしながら、仮に日米の政策金利差がゼロになったとしても、長期金利の差は2%程度で推移しているようです。FRBや日銀の利下げや利上げが、ただちに円高円安に反映されるわけではないと思いますが、おおむね為替レートにも影響が出てくるものと思います。

おそらく、今後1~2年で長期金利の日米差は2%程度、為替レートは1ドル110円あたりで落ち着くのではないかなと思います。

FOMCが今月から利下げを開始することがほぼ確定しましたが、小幅なのか、大幅なのか、もしくは年内に合計で何%を予定しているのか、あるいは日銀も利上げするのかなど、不確定な部分が残されています。

前回の2006年の時のパターンでいえば、割と短期間に5%から0%への利下げとなりましたので、今回も半年から1年程度で大幅に日米の金利差が縮小するのではないかと懸念しております。

2006年の時の利下げ

米国の利下げに加えて、もし日銀も利上げを実行した場合、日米の金利差が急速に縮小し、ダブルパンチで一気に1ドル120円台まで下落する可能性もあります。1年後、1ドル100円台になっていても、そうおかしな話ではありません。

その最初の利下げが今月から開始される予定ですが、例年、米国は9月に株価が下落する傾向があり、今年も株価が下落しそうな雰囲気が出てきております。本来、利下げは株価が上昇する方向に働きますが、今回は材料出尽くしで反応が弱めになるかもしれません。あるいは、円高で日経平均が下落し、それに連動して米国株の足を引っ張るような事態になるかもしれません。

もしそうなった場合、今年からNISAで投資をはじめた人にとっては、苦難のスタートになると思います。特に、円高によりドル建て資産への影響が大きく出てくるはずですが、日本の個人投資家はNISAで米国株に長期投資する人が多いものの、為替リスクをあまり理解していない人も多いのではと感じてます。

もし、今年の7月に1ドル160円でSP500などの米国株を買っていた場合、円高が120円台まで下がると、たとえ株価はトントンであったとしても、資産が25%減少する結果となります。そのまま損切りできず、塩漬けにしたのち、最終的には1ドル100円、さらに株価までも下落した場合、資産が50%減、80%減になる可能性も実際にあります。

この間にも米国株を損切りする人が出てくるでしょうし、米国株を売ったドルは円に換えるはずなので、ドル売り、円買いの圧力が強くなって、さらに円高ドル安が進む可能性もあります。

また、利下げによるドル安で米国のインフレが再燃しだした場合、制御不能な状態になってしまう可能性があるため、結果的に大暴落してしまう可能性も出てきます。インフレの再燃だけは避けたいところですが、この1年間は正念場となるかもしれません。

つい先月だったと思いますが、テスラ株は割安だという報道が流れて買いが入っていたことを記憶しています。

そのようなポジティブなニュースが流れ、一時は170ドル程度まで上昇していましたが、そこからさらに暴落して現在は109ドルあたりで推移してきました。

これはおそらく、年末の節税売りが発生しているのかもしれませんが、下げ止まらない暴落でテスラのVIX恐怖指数はかなり高い状態までいっているものと推測しています。

さらに、本日あたりからネガティブなニュースが流れるようになってきました。

ヤフーのトップページで2つ出ていますが、コメント欄を読んでみますとマスクはオワコン的なネガティブなセンチメントであふれかえっています。

このような総悲観の状態になりますと、そろそろ買い時が近いのかもしれません。

なので私は購入資金を3分割し、100ドル台、80ドル台、60ドル台でそれぞれ3等分して購入してみようかな、そう感じています。

さすがに60ドル台では買えないと思いますし、おそらくは80ドル台でも買えないとは思いますが、時価総額で見るとまだかなり高いです。株価は行き過ぎる傾向があるので、まだまだ安く買える可能性もあります。

来年はリセッションでさらに下落してしまう可能性もあり、一度に買ってしまうと保有しているストレスが大きくなる可能性があるため、少しづつ買っていくのがよい方法かと思います。