1ドル124円に円安が加速する流れを受け、日経平均株価も高値を更新しております。この円安ドル高の原因については、米国景気の好調を受け、FRB(連邦準備制度理事会)が利上げをするとの予測が市場関係者の間で流れたためですが、今後は円を売り、金利の高いドルを買う動きが生じると予想されています。
一方、この円安水準では国内消費の大幅な落ち込みは避けられない状況になってきました。海外投資家はこれまで日本の内需回復への期待感から日本株を買ってきましたが、賃金の上昇はきわめて限定的なものに留まっており、2017年4月には消費税増税も予測されているため、この段階での120円を超える円安は内需を崩壊させるとの見方が強まっています。
1ドル120円が耐えられる円安の限界だと見る専門家も多く、124円を超えてくるようだと加速化の流れをとめられなくなり、年内に130円を超えるのはほぼ確実との観測がなされています。2007年に124円で三角持合いを下離れしたあと、それを全て戻す形で上値を超えてきましたので、今後は円安への加速化の流れがとまられなくなると考えてよいでしょう。現状では原油安がストッパーとなっていますが、原油高になると景気の落ち込みは避けられなくなります。
今回の円安124円の影響はまだ出てきていません。企業が値上げに踏み切るのは秋口頃と考えられており、130円を突破した際の値上げは来年の春ごろになるものと予測されています。そして、17年4月の消費税10%への増税が待ち構えており、景気回復へどの程度影響が出るのか懸念されております。
結果として、国内消費が大幅に落ち込み、内需型企業の業績が低下、税収が減少、赤字国債の発行、増税、さらなる消費の落ち込みへとスパイラルされ、悪循環が止まらなくなってしまうかもしれません。