スルガ銀行の不適切融資が1兆円にのぼると報道され、日銀の異次元の金融緩和による副作用が表面化する形になってきました。
これまで日銀は金融機関などから国債を大量に購入してきましたが、現在、その保有残高は約447兆円に上ると言われています。その買い取ったお金は日銀の当座預金にブタ積みになっており、世の中にはお金が回ってはいないといわれていました。
そのような状況のなか、スルガ銀行は融資で世の中にお金を回そうとしたわけですので、その方向性自体は正しかったのかもしれません。
けれども、実業ではなく、不動産投資という投機に近い分野に手を出したことが命運を分ける形になりました。結局、日本の銀行は担保主義から抜け出せていなかったのかもしれません。
支払い能力のあやしいサラリーマンにも高額な融資をしていたと言われており、10年前のリーマンショックを彷彿とさせる様相を呈してきております。これをサブプライムローンというのかどうかは不明ですが、いずれにしても既に多額な借金を抱えてしまったサラリーマンが出てきました。
ここで素朴な疑問が出てくるわけですが、果たして他の地方銀行は大丈夫なのでしょうか?
ぼくの調べた限り、直近5年の地銀全体で3兆円増の残高14兆円程度と見ていますが、今回のように「住宅ローン」のような形のものも含まれていたとなると、融資残高が2倍、3倍になってしまう可能性があり、個人の不動産投資の実態には不透明な部分があります。
くしくも来月の9月15日は、2008年9月15日のリーマン・ショックから10年の節目にあたりますが、何かが起こりそうな予感がしてきました。