パイオニアが香港系投資ファンドのBPEA傘下に入ることになり、臨時株主総会で承認されれば、2018年3月中に上場廃止となるようです。会社自体は存続するようですが、今後もリストラなど厳しい経営環境が続くことになるのかもしれません。
ぼくはパイオニアの株価が100円を切ったあたりで気にはなっていたものの、出来高が増えてきたら株を買ってみようかなとも考えていました。
ただ、いつまで経っても出来高は増えませんし、いずれ新株予約権みたいな形になるのかなとも感じていたため、手が出なかったのですが、結局は上場廃止で「1株当たり66.1円」でのお買取りになるようです。
現在の株価は88円なので、それを「66.1円」で買い取るのは株主にとっては厳しい結果になったのかもしれません。
正直、上場廃止の文字を見た時、PBR0.44なら100円以上でのお買取りになると思ったので、やっぱ買っておけばよかったと後悔したのですが、結局は66.1円なら買わなくてよかったです。
この株を買い取るにはいくつかの算出方法があるようで、以下のように書いていました。
①市場株価平均法: 89円から105円
②類似会社比較法: 26円から55円
③DCF法: 33円から71円
(参考情報)
純資産価額法: △69円から△56円(1株当たり純資産価額)
採用する方法によって大きな違いがあり、またそれぞれの算出方法のうちでも株価にけっこうな幅があると感じています。
パイオニアは債務超過ではないですし、PBR0.44ぐらいなため、純資産価額法で会社を精算する選択もあると感じますが、いざ会社を精算するとなった場合、資産の帳簿価額と処分価額に違いが出てしまい、実際には配当する資産がなくなってしまうようです。
いずれにしても、「継続企業の前提に関する疑義注記」が付いた時点で、もし支援を受けなければ、いずれは資金繰りで行き詰ってしまう可能性があったのだろうと思います。そうなると株価にもさらに悪い影響が出てきてしまうため、今の段階で上場廃止の決定をするのが最善と判断したのだろうと思います。
実はもうひとつ、電気機器の会社で同じように気になっている会社があり、こちらも100円を大幅に割り込んでほぼ同じような状態なのですが、電機メーカーは研究開発費などでも資金が必要でしょうし、PBRが低いからといって手を出すのは考え物かもしれません。
パイオニアについては、おそらくは66円での幅寄せになるかと思いますので、上場廃止のマネーゲームは発生しないだろうと思いますが、一応、注目していきたいと思います。