トランプ大統領の就任演説を聞いていましたが、なかなかよい演説だったのではないかと思います。
会場には歴代の大統領がずらりと並んでいましたが、彼らを目の前にして、トランプ氏はこれまでの政治は全然だめだめだったといっていました。これまでは一部の勢力が恩恵にあずかる一方、それは国民の勝利ではなく、労働者が繫栄を享受することがなかったと主張していたわけです。
つまり、歴代大統領を目の前にして無能扱いしたわけですが、実際のところ、米国の現状を見ればそうだったのではないかと思います。アメリカでは経済格差が拡大していますが、国民全員が繁栄を謳歌している印象はありません。
これは日本でも同じ状況ではないかと思います。
一部の人たちが恩恵にあずかる一方、庶民の生活は苦しくなってきており、特に若者世代は繁栄を享受しているとはほど遠い状況にあります。一部の企業だけが円安で儲け、内部留保が増加してはおりますが、賃金の上昇には反映されていません。加えて、株価の上昇によって一部の富裕層が資産を増やす結果にはなっていますが、トリクルダウンなどはまったく生じていない状況です。
失われた世代の夢は非正規ではなく正社員で働けること、結婚して安心して子育てをできること、あるいは年金がきちんともらえることなどという状況になっておりますが、本来、そのようなことは夢でもなんでもなく、ごく当たり前のことです。
繁栄どころか、出生数が100万人を割り込む状況となっており、将来世代へのつけが1000兆円をこえ、日本は衰退の一途を辿っている最中です。トランプ大統領は「皆さんの勝利ではありませんでした。」といっていましたが、これはまさに、日本の氷河期世代にとってもズシリと響く言葉だったのではないかと思われます。
また、メディアを批判していますが、これはメディアの報道に反して、ブレグジットやトランプ大統領が誕生した結果からみても、誰もがそう感じているものと思われます。ブレグジットやトランプ大統領の誕生、あるいは円高にはならなかったことなど、メディアの報道がことごくはずれてきましたが、これは意図的な偏向報道があった証でもあります。
加えて、トランプ政権が誕生したことに対するがっかり感が連日のように繰り返し報道されていますが、正当な選挙を経て誕生した大統領だったわけですので、誰もががっかりしているわけではありません。むしろ、多数の共感する人がいたからこそ、選挙で勝利したといえるのではないでしょうか。
「アメリカファースト」と言っていましたが、今後は日本でも「ジャパンファースト」の方向に時代はシフトしていくのではないかと感じています。