ブリティッシュ(英国)がEUからエグジット(離脱)する、いわゆる「ブレグジット」が関心を集めていますが、これを受け、世界経済はリスクオフの局面を迎えています。EU離脱を問う英国の国民投票が今月の6月23日に行われる予定ですが、世論調査では離脱派が若干リードしていることから、離脱の可能性が現実味を帯びてきています。
もし英国のEU離脱が現実となった場合、ポンドや英国株が軒並み下落することが懸念されており、リスクオフで円が買われる展開になっています。円相場は1ドル105円台へと突入しており、日経平均株価も16,000円を割れる展開となってきました。
そもそも、なぜ英国がEUを離脱したいのかというと、移民の流入により労働者が仕事を奪われる結果になっているのが大きな要因といえるでしょう。
けれども、実際に英国がEUを離脱した場合、他のEU諸国にも連鎖する可能性があり、次々に離脱する国が増えれば、欧州連合が崩壊する可能性もあります。実際に英国がEUを離脱するまでには、2年程度のタイムラグがあるといわれていますが、世界の金融市場は混乱を迎えることになるはずです。
ただ、世界経済へ与えるインパクトが大きいだけに、各国が協調して離脱を回避する流れになるかもしれません。国民投票の延期やEUによる移民問題の妥協などの可能性もあるでしょうし、あるいは実際に離脱した際の影響を最小限に抑えるための対策も欧州連合で模索されております。
米国のデフォルト問題のように、騒ぐだけ騒いで結局は何もなかったという展開も考えられますが、今回の英国のEU離脱は実際にフィフティー・フィフティーの確率となっております。
はたしてEU残留か、離脱か、どちらに振れるかが分からない展開となってきました。