2024年9月アーカイブ

総裁選で石破氏が当選したことにより、日経平均先物が2,410円の大暴落となりました。

先物大暴落

この時点でも歴代3位の下落幅ですが、下落率からいえば、まだ6%程度となっています。

先日のFRBの大幅な利下げで円高にふれるものと思いつつ、実際には高市氏が優勢になると逆に円安方向へ向かいましたが、その分は帳消しになって下がるものと思われます。さらに、FRBの利下げ分も円高になるとすれば、月曜日は大幅な大暴落になるかもしれません。

さらに、株価が大暴落すると、NISA国民からの反発があると予想されますので、石破憎しで総選挙の結果にも影響しかねません。

ただ、石破氏は高齢者からの支持が厚いため、政権交代までにはならないとは思いますが、多少は折り込むかもしれない雰囲気になりつつあります。

ご祝儀相場で暴騰する可能性もゼロではないものの、おそらくは総選挙で国民に信を問い、自民党が議席を確保した後になるのかもしれません。

個人的には、先日のFRBの利下げ分も合わせて、1ドル135円あたりまで下落するのではないかと予想しています。ただ、演説の内容がよかったですし、高齢者などからの支持が厚いため、株価が大暴落したとしても、政権交代までにはならないと考えてます。

先日、FRBが0.5%の大幅な利下げを実行しましたが、円高にはならず、円安方向へとふれているようです。

この原因を考えてみるに、長期金利が上昇していることがひとつの要因かと思います。

今のところ、短期金利やドルインデックスには変動がありません。

FRBが0.5%の利下げをしたのに、長期金利が下がらないのはなぜかを考えてみますに、1つはつなぎ法案が拒否されたことが原因といえます。トランプ氏が要求する移民関連の条項に反発し、つなぎ法案が拒否されており、このままですと政府機関が閉鎖する事態が懸念されています。

しかしながら、移民関連の条項を除外するとのことで、このつなぎ法案は通過する見通しになっているようです。そのため、もし無事に通過した際には、長期金利が低下して円高方向にふれる可能性があります。

加えて、そもそも0.25%の利下げを主張したメンバーのなかには、米国のインフレがまだ完全におさまっていない状況のなか、大幅な利下げはインフレの再燃をまねくおそれがあると考える人もいます。万一、インフレが再燃してFRBが失敗した場合、さらなる利上げを実行する必要が出てくるため、長期金利が高止まりしている可能性があります。

いずれにしましても、FRBの大幅な利下げに加え、日銀の利上げも予定されているなか、当面は1ドル130円あたりの円高にすすむ結果になっていくものと思われます。

日銀の利上げにつきましては、高市氏が利上げに強く反対しているため、総裁選の結果によっては円安方向にふれる可能性もあるかもしれません。いずれにしても、基本的には円高基調ですすんでいくものと思われます。

FRBが0.5%の利下げを決定しましたが、まだ再燃の懸念もあるなか、利下げ幅を0.5%にするのは時期尚早だったように感じます。とはいえ、利下げペースについては、0.25%でも0.5%でもそれほど問題ではなく、最終的な着地点がどこになるのかが重要なポイントになります。

今回のFOMCでそのあたりの情報はあまり読み取れませんでしたが、参加者による見通しでは、2025年末時点の中央値は3.4%、2026年末時点では2.9%とのことです。若干高めになったように感じますが、おおむね、最終的には2.5%~3%前後で着地するとの見方になっているようです。

仮に、日銀の利上げを1%程度としますと、最終的な政策金利の差は2%程度となりますが、コロナ以前の2019年あたりの状況になるのかもしれません。

上段がドル円の為替レート、中段が長期金利の日米金利差、下段が日米の政策金利差ですが、政策金利の日米差はそれほど相関していてはいないものの、長期金利の金利差にはかなり反応しているように思えます。

しかしながら、仮に日米の政策金利差がゼロになったとしても、長期金利の差は2%程度で推移しているようです。FRBや日銀の利下げや利上げが、ただちに円高円安に反映されるわけではないと思いますが、おおむね為替レートにも影響が出てくるものと思います。

おそらく、今後1~2年で長期金利の日米差は2%程度、為替レートは1ドル110円あたりで落ち着くのではないかなと思います。

FOMCが今月から利下げを開始することがほぼ確定しましたが、小幅なのか、大幅なのか、もしくは年内に合計で何%を予定しているのか、あるいは日銀も利上げするのかなど、不確定な部分が残されています。

前回の2006年の時のパターンでいえば、割と短期間に5%から0%への利下げとなりましたので、今回も半年から1年程度で大幅に日米の金利差が縮小するのではないかと懸念しております。

2006年の時の利下げ

米国の利下げに加えて、もし日銀も利上げを実行した場合、日米の金利差が急速に縮小し、ダブルパンチで一気に1ドル120円台まで下落する可能性もあります。1年後、1ドル100円台になっていても、そうおかしな話ではありません。

その最初の利下げが今月から開始される予定ですが、例年、米国は9月に株価が下落する傾向があり、今年も株価が下落しそうな雰囲気が出てきております。本来、利下げは株価が上昇する方向に働きますが、今回は材料出尽くしで反応が弱めになるかもしれません。あるいは、円高で日経平均が下落し、それに連動して米国株の足を引っ張るような事態になるかもしれません。

もしそうなった場合、今年からNISAで投資をはじめた人にとっては、苦難のスタートになると思います。特に、円高によりドル建て資産への影響が大きく出てくるはずですが、日本の個人投資家はNISAで米国株に長期投資する人が多いものの、為替リスクをあまり理解していない人も多いのではと感じてます。

もし、今年の7月に1ドル160円でSP500などの米国株を買っていた場合、円高が120円台まで下がると、たとえ株価はトントンであったとしても、資産が25%減少する結果となります。そのまま損切りできず、塩漬けにしたのち、最終的には1ドル100円、さらに株価までも下落した場合、資産が50%減、80%減になる可能性も実際にあります。

この間にも米国株を損切りする人が出てくるでしょうし、米国株を売ったドルは円に換えるはずなので、ドル売り、円買いの圧力が強くなって、さらに円高ドル安が進む可能性もあります。

また、利下げによるドル安で米国のインフレが再燃しだした場合、制御不能な状態になってしまう可能性があるため、結果的に大暴落してしまう可能性も出てきます。インフレの再燃だけは避けたいところですが、この1年間は正念場となるかもしれません。