2022年11月アーカイブ

ニューヨーク連銀総裁が講演し、インフレ率が今年末には5.0─5.5%、来年は3.0─3.5%に緩和すると発表したようです。

ただ、11月発表の10月分のCPIは8.2%から7.7%に0.5%減少しており、このペースだと12月で6.7%ぐらいにしかなりません。

一方、コアCPIの場合ですと6.6%から6.3%に0.3%減少したため、このペースですと12月には5.7%に到達するため、おそらく総裁はコアCPIのことを言っているのかなと感じています。

ウィリアムズ総裁の5.0─5.5%の場合、0.4%~0.6%づつの下落ペースということになりますが、コアCPIはしぶとい印象があるので、そこまで下がるのかについては疑問を感じています。

仮に0.4%づつの減少を半年間としますと、おおよそ3.0─3.5%に近づく形になるかもしれませんが、「FRBはおそらく2024年に利下げに着手する」とのコメントがありましたので、利下げはかなり先になるものと思われます。

賃金や家賃などはそう簡単には下がらないかと思いますので、1年程度は時間がかかるのかもしれません。

いずれにしましても12月13日のCPIの数字に注目が集まりますが、コアCPIがそれほど下がらず、利上げ幅の縮小中止で0.75%継続となった場合、株価の雲行きはあやしくなってくるものと思われます。

現在のところ、S&P 500は4000ポイントを回復して、4100あたりを目指す展開になってきていますが、週足チャートを見てみますと、またそろそろ下がりそうなチャートの様相を呈してきました。

今までのパターンでいいますと、3か月程度は下げトレンドが継続して下値を切り下げていく傾向があります。

基本的には来年の景気は悪いというのが市場のコンセンサスですが、全員が下がると考えている場合はなかなか下がらない傾向があるようです。

おそらくは、12月のCPI通過後、利上げ0.5%をおりこむ形で株価がさらに上昇し、その後のFOMCにて株価が下落に転じて上髭をつける、そんな形を想定しています。

ズバリ予想しますと、こんな感じを予想してます。

12月14日、0.5%で4.5%
2月1日、0.5%で5%
3月22日、0.25%で5.25%
5月3日、0%で5.25%
6月14日、0%で5.25%
7月26日、0%で5.25%
9月20日、0%で5.25%
11月1日、-0.25%で5%
12月13日、-0.25%で4.75%

そう考えますと、4200ポイントぐらいまで上げたのち、年末あたりから下落トレンドに移行しそうな印象もありますが、CPIの数字が悪ければ、暴落してしまうかもしれません。

上昇時はSPXL、下落時はSPXSなどがありますが、為替の状況をみつつ、円高の時にSPXSを買っていくのがお得かもしれません。

2022年12月のCPIを予想

次回のCPIは「on December 13, 2022, at 8:30 A.M. Eastern Time.」とのことで、あと3週間ぐらいとなりました。

前回までのCPIのデータはこちらのホームページで公開されています。

CPIホームページ

前回は予想が8.0%(前年比)に対して7.7%の結果となっており、8.2%から7.7%に大幅に下落しています。

12月のCPIは雰囲気的には7.2%程度の数字もありえると思いますが、おそらくは7.2~7.6あたり、もしくは7%台後半の数字を予測しています。

この状況ですと、8%台や6%台はないと感じており、おそらくは7%台半ばの数字が出てくると考えています。

仮に7.4%あたりとしますと、12月の利上げ幅は0.5%に下がりそうな気もしますが、万一、7.7%より上になった場合には利上げ0.75%継続の可能性もあるかもしれません。その場合は、ドル高が継続して株価が下がってしまう可能性もあります。

ただ、FRBは2%?を目指しているらしく、はたしてこの数字は達成できるのでしょうか、かなり時間がかかりそうな気がしてますが、真剣に2%を考えているのでしたら、0.75の可能性もあるものと思います。

概ね、12月に0.5、来年1月にも0.5、3月に0.25でコミコミ5.25%あたりで打ち止めになりそうな予感がしています。

万一、12月に0.75となった場合、来年1月に0.5、3月に0.25で5.5%の可能性も出てきますが、いずれにしてもCPIのデータ次第になると思われます。

最近のトレンドは円高傾向ですが、Googleトレンドでは11月11日にピークをつけたのち、徐々に関心度が落ちてきています。

140円を切ったのち、このまま120円まで下落して終了かと思いきや、再び円安方向にふれてきたため、人々の興味がなくなってしまったのかもしれません。

これまでの円高チャートを確認してみますと、100~75ポイントあたりでピークをつけたのち、42~43ポイントあたりまで下落しています。

それなら逆に円安に関心が出てきたのかでいえば、こちらも関心度が低下している傾向にあります。

依然として1ドル140円を超えているため、冷静に考えると円安ではあるものの、関心が薄いようで、既に損切りして他に移動してしまった人が多いのかもしれません。前回は25ポイントあたりで人気度が反発してきましたが、今後もここらで巻き返しがあるのか興味深いところです。

これらの点から考えますに、過熱感がない状態のまま円安トレンドが徐々に進行しはじめてきているといえます。

今後の展開としましては、過去の例を参考にしますと、円高のグーグルトレンドが43ポイントあたりまで下落したあたりで、今回の円安がピークアウトするのではないか、そう感じています。

ただ、円安といえばドル高ですので、ドルも上昇してきているのかといえば、先日のドルの急落で損切りしたい人がいるのか、上値は重いように感じています。

市場では12月のFOMCで利上げ幅の縮小が意識されていますが、0.5%派が優勢なものの、まだかろうじて0.75%の可能性も残されています。

議決権のある委員のコメントを拾ってみますと、タカ派の発言が多いと感じますが、概ね0.5%でほぼ決まった印象を受けます。

・ブラード総裁(セントルイス連銀)
5-5.25%ということになろう。それは最低水準だ。」

・ジョージ総裁(カンザスシティ連銀)
「FRBが来年の利上げペースを25ベーシスポイントに鈍化させることは理にかなっている」

・メスター総裁(クリーブランド連銀)
「引き締め幅が小さ過ぎるリスクの方が大きいと私は現時点でみている」

・コリンズ総裁(ボストン連銀)
「0.75%利上げなお選択肢」

・ウィリアムズ総裁(ニューヨーク連銀)
「金融当局は利上げを進めるに当たり、あくまで経済目標に集中し、金融安定性リスクをも考慮に入れることは避けるべきだ」

FRBは不必要に市場を混乱させるようなことはしないと思いますので、CPIで悪い数字が出ない限りは0.5%でほぼ確定とみてもよいでしょう。

しかしながら、もしCPIで悪い数字が出た場合、0.75%利上げが意識されて再び1ドル150円、160円も視野に入ってくるかもしれません。

現在、1ドル142円程度となっていますが、またまたゾンビのように円安が蘇ってきています。

おそらく、12月、もしくは来年1月には再び1ドル150円に到達する可能性もあると感じています。万一、12月に0.75%の利上げとなった場合、利上げが底なしの様相を呈して1ドル160円、170円に到達してくるかもしれません。

そういった意味で、次回のCPIは非常に重要になってくるものと思われます。

10月に1ドル151円に到達したドル円ですが、CPIの結果を受けて現在は1ドル139円台を推移しています。

このまま円高に突入して元の115円台まで戻ってしまうのか、あるいはまた150円台の円安に突入するのかが気になるところですが、今後は余程のことがない限り、1ドル180円を付ける可能性はほぼなくなったと見ています。

そもそも今回の150円の円安についてですが、もともとFRBが0.75%の強力な利上げを何度もしていたにも関わらず、ほとんど効き目があらわれてこないことに対する恐怖感があったものと思います。

これだけ何度もやっているのに効かないともなれば、0.75%よりも強力な利上げをせざるを得ないのではないだろうか、5%ではなく6%、あるいは7%、8%までやらないと今回のインフレは止まらないのではないだろうか、そんなセンチメントが漂っていました。

そのため、この6%や7%あたりをも折り込みつつ長期金利が上昇していたわけですが、10月分のCPIデータがインフレピークアウトの兆候を示すものであったため、6%や7%の可能性がほぼ消えてドルが売られる結果になったのではないか、ぼくはそう考えています。

ただし、仮に12月に利上げ幅を縮小しても利上げ自体は今後も継続されるため、最終的なターミナルレートは現在の4%から上乗せされて5%程度まで達するとの見方が優勢です。

そのように考えますと、現在の長期金利の3.8%については、まだ政策金利の5%を折り込んでいないのではないかとも感じてまして、今後の利上げ継続の発表があったのち、円安も上昇していく余地があるものと感じています。

短期金利と長期金利でいえば、円安に影響を与えやすいのは長期金利と思われます。米国債10年などは長期金利といえますが、日米の金利格差が拡大した場合、為替リスクを吸収できるレベルまでドルが買われるはずですので、長期国債の利回りが上昇すればするほどドル高円安にふれていくことでしょう。

今後、米国政策金利が4%から5%に近づくにつれ、長期国債の利回りも上昇する可能性があるため、円安にふれる可能性も残されています。

ただ、10年米国債は10年の長期であるのに対し、米国政策金利はせいぜい今後数年程度の短期のため、政策金利があがったからといって10年米国債も上昇するとは限りませんが、今後の展開によってはまだ上値の余地があるものと感じています。

米国債はお買い得なのだろうか

先日まで150円程度で推移していたドル円の為替レートですが、CPIの結果を受けてドルが急落し1ドル138円程度まで下落してきています。

ここで気になったのは米国債ですが、今までは為替リスクが大きいため敬遠していたものの、138ドル程度なら円高リスクを考慮に入れても、ある程度は投資冥利が出てきたのかもしれません。

(※2022年11月11日時点)

現時点での政策金利は4%です。

日本の銀行に預けても利息がつかず、来年の株は世界的なリセッションが懸念されているなか、米国債の利回りが3.8%程度で、なおかつ為替リスクも抑えられるようでしたら、そろそろチャンス到来かもしれません。

ただ、政策金利のターミナルレートは5%程度に達すると見られている状況のなか、米国債利回りも4%以上にはなりそうな気もしており、もう少し待った方がよいと思います。

おそらくは、2022年12月に4.5%、1月に4.75%、3月に5%で打ち止めになるのではないでしょうか。

願わくば、為替レートが115円程度、米国債の利回りが4.75%になるのが理想ですが、このまま1ドル120円程度まで下がれば、まずまずといった状況にはなると思います。

米国のインフレがピークを迎えた雰囲気が出てきた状況のなか、6%以上の利回りは期待できなくなりましたが、4%以上は期待できると感じています。

今後、為替レートと米国債の利回りはどのように推移していくのでしょうか、2023年末頃には利下げに転じるとは思いますが、それまでの推移を注視していく予定です。

FOMCを通過し、市場では12月の利上げ幅は0.5%か0.75%、最終的なターミナルレートは5%強でコンセンサスが形成されつつあります。

しかしながら、原油高に注目してきた私としては、最近の下落局面においても原油や天然ガスなどのエネルギー関連は堅調さを維持しており、0.5%の利上げ幅下げの思惑には疑問を感じています。

夏頃までは原油価格と株価は連動していたように感じますが、ここに来てそれほど連動しない動きがみられてきました。

冬からのエネルギー需要増に加え、中国のゼロコロナ政策の見直し、あるいは石油備蓄の玉切れ、地政学的なリスクなど、ふとしたきっかけで再び120ドルを突破してもおかしくありません。いずれ原油高騰の問題が再燃すれば、12月の利上げ幅は0.5%ではなく、0.75%の可能性が高いのではないか、そう感じています。

加えて、0.75を連発してもインフレ抑制の明確な兆候が乏しく、利上げが効いている明確な証拠が乏しいまま見切り発車でペースを下げてしまうリスクは高いです。最終的なゴールポストが5%台に動きましたが、6%台や7%台になる可能性もあるなか、現状のままFRBが0.5に下げることはないと感じています。

果たして、12月は0.5%なのか、それとも0.75%なのか。

直近の米雇用統計は明確な数字は出ませんでしたが、次のCPIは0.5%派に嬉しい数字が出るかもしれず、予断を許さない状況となりつつあります。

ちなみに、0.75%派のぼくとしては、米国株を売りつつ、原油やガス株を買い、中国株は買いのスタンスで行こうと思ってます。