2018年7月アーカイブ

マイナス金利導入後、銀行の収益は圧迫されていますが、日銀が長期金利の上昇を認める方向で緩和政策を調整することになりました。

長期金利:10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。その際、金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとし...(以下、省略)

果たして、これは出口政策なのでしょうか?

市場の反応は為替が円安の方向へ進んでいるほか、銀行銘柄は概ね下落しており、また直ちに緊縮政策とならないことから日経平均株価はプラスの結果になりました。

銀行銘柄が下落したということは、収益改善にはまったく期待はずれの内容だったものと思いますが、期待外れだったために金融緩和が今後も継続するととられ、日経平均株価はわずかに上昇しています。

2%の物価目標の達成がほぼ不可能な状況のなか、いずれ金融緩和を大幅に修正しなくてはいけなくなるものと思われますが、当面は緩和継続という受け取られ方をしたもようです。

今回の長期金利変動の容認を出口政策とするには弱すぎる内容だったかもしれません。

メガネスーパーのビジョナリーホールディングスで株価が急落する事態が発生しているもようです。

大株主が株の売り出しを行うとのことで、希薄化は生じないものの、大量の保有株が放出されることを懸念して大幅に株価が下落する事態となっています。つい先日の19日まで203円あった株価が、本日27日は一時116円まで急落しており、約10日程度で最大42%の下落を記録する形になりました。

株の希薄化はしないにも関わらず、大株主が株を売り出すことになった際、このような阿鼻叫喚の事態が生じることになってしまいます。いわゆる大株主の出口戦略と言われるものですが、大量に株を保有している場合、その価格では売れない事態になってしまうのかもしれません。

概ね、投資ファンドが入っている場合、材料を出しつつ、株価を急騰させたのちに一気に売り抜けるケースが多いと思いますが、今回のようにまだ売ってない状態で急落するのははじめてのケースでした。

一方で目を転じてみますと、日本の上場企業の大株主は日銀と言われており、今回のビジョナリーホールディングズで起こったハプニングは、日本株の小さな縮図ともいえる象徴的な出来事といえるでしょう。

まだ売りに出してもいない状態で、なおかつ株の希薄化も生じない状態でも、株を売りに出す情報が流れた際、株価が大暴落する事態が生じてしまうかと思います。

いっそのこと、日銀の保有株は消却してしまうのが一番かと思いますが、どうなんでしょうか。

今後もビジョナリーホールディングスの株価には注目していく予定です。