2017年3月アーカイブ

GW明けの日経平均株価は大幅に続伸し終値19,895円の高値で取引を終えました。

この要因として、フランス大統領に中道系のエマニュエル・マクロン氏が当選したことがあげられますが、他にも米国雇用統計の好調による利上げ観測が高まったことや企業決算の好調、あるいは北朝鮮リスクの後退に加え、オペック減産延長の見通しから8日午後から原油先物が上昇していることなども挙げられています。

このマクロン氏(39歳4か月)ですが、ナポレオン3世の40歳を超え史上最年少といわれてます。中道系であることから、フランスのEU離脱リスクが後退したことが市場の安心感につながり、海外勢からの買い注文が膨らみました。直近では売り残高がたまっていたことから、連休明けは買戻しの動きが観測されました。

当面、日経平均株価は2015年高値の2万1千円をめざす動きになるかと思われますが、そこを超えてくるようだと2万5千円も視野に入ってくるものと思われます。為替については、米国の利上げ観測が強まっていることから、当面は1ドル120円程度をめざす動きとなるでしょう。

民事再生法を申請したタカタですが、6月23日の金曜日にストップ高を付けた後、月曜日は売買停止となりました。

けれども、当初はストップ高になるかという状態でした。

その後、寄り付き前に民事再生法の申請がニュースで報道され、売買停止となったあとは次第に値を下げてきます。

最終的には一転してストップ安をつけ、翌日以降、大きく値を下げる展開となりました。

現在は32円程度まで値を下げており、マネーゲームの様相を呈してきましたが、買い方の誤算は売買停止になったことではないかと思われます。

おそらくは、寄り付き直後、タカタが民事再生を申請する前に買い玉を整理できると踏んでのストップ高だったかと思われますが、売買停止となれば成すすべがありません。

また、マネーゲームについては、以前のスカイマークの件がありますが、タカタについては過半数を握る株を創業家が握っています。スカイマークについても、民事再生法の申請以降、社長は株を手放す展開となりましたが、申請前までが勝負であったといえるでしょう。

今後、創業家の数千万株の株が降ってくる可能性を考えると、果たしてスカイマークのような展開になるのかに注目が集まっています。

当サイト運営者の印象では、創業家が株を処分しないかぎりマネーゲームははじまらないと考えておりますが、そのボリューム感を考えるとかなり時間は押す展開になる気がしています。出来高が激減してしまえば、大量の枚数を処理することができなくなってしまうため、急激に値を下げることなく、徐々に売りさばいていく展開になるのではないでしょうか。

創業家も含め、当然、スカイマークの事例が年頭にあるかと思いますが、枚数が約8,300万株とすると枚数にボリューム感が出てくる10円以下になるまではバケツリレーが展開される感じもしています。

けれども、誰もがそう考えるはずですので、意外にはやく始まる可能性もあり、一方ではまた何も起きずに終了してしまう可能性もあり、上場廃止までは目が離せない展開となってきました。

トランプ相場で上昇し続けていたドル円相場は、トランプ政権の先行不透明感が増してきたことにより、円高基調のトレンドが形成されつつあります。米国利上げ回数が想定内だったことに加え、オバマケア代替案への合意が得られなかったことにより、トランプ政権の実行力が疑問視されてきました。

これによりトランプ政権のご祝儀相場は終焉し、長期的な円高ドル安トレンドへ突入したとの見方が市場関係者の間で広まっている。

ニトリの社長さんによると、今年の秋・冬為替トレンドを95円~105円のレンジを想定しているようですが、ぼくの想定は90円~105円もありうると考えています。日米間の金利差があることで、さすがに80円台は予測しずらい状況ですが、米国への投資が引き上げられた場合、行き場を失った資金は日本へ向かい円高になる可能性が高いとみています。

一方で、これらの予測を吹き飛ばすような要因を安倍政権は抱えています。

当初、早期に収束するかと思われたアッキード事件が長期化する様相を呈してきており、昭恵夫人の証人喚問をしないと収まりがつかない状況となってきました。また、Kagoike氏の自信あふれる証言により、寄付が実際にあった可能性も現実味を帯びてきており、万一寄付があったとすれば、それは個人的にKagoike氏へ利益を供与したことを意味しています。

資力に乏しいKagoike氏が学園を設立するに至った点を考えると、何らかの不思議な力が働いていたことは明確ですので、個々の事象についてみればセーフだったとしても、全体としてみれば、アウトといえる状況になってきています。

今後の展開によっては、安倍政権が解散する可能性も帯びてきており、もし仮にアベノミクスが崩壊すれば、円高方向へ向かう可能性もあります。

いずれにしましても、アベノミクス以降継続してきた円安トレンドは終了し、今年は円高トレンドへと転換していくでしょう。

当サイトでは以前から懸念していましたが、不動産投資バブルの崩壊による地銀発の日本版リーマンショックの可能性が高まっており、日銀でも過剰融資に関して警戒感を強めているようです。

先日リリースされた日銀の金融システムレポートによると、地域銀行による個人向け投資不動産用の貸付残高が高い伸び率になっており、前年比9%程度で推移しているようです。これはマイナス金利の導入によって低金利で融資を受けられる状態になったことや相続税対策として利用している人が増加したためですが、一転して不良債権化する可能性が表面化してきました。

これは主に第一地銀や第二地銀などの地域銀行に限った話になっており、都市銀行ではそれほど個人向け不動産融資残高は多くありませんが、地銀では不良債権化する可能性が高まってきております。

出生数が100万人を割り込み、さらに人口100万人を割り込む県(※市ではない)も10県にのぼっており、日本の人口減少が加速化しています。このペースで推移すると、わずか数年~数十年で日本の人口が8千万人程度まで減少するとみられており、地方の過疎化に拍車がかかるものと見られています。

そのような状況のなか、単純に考えれば、いずれは確実に4,000万室~5,000万室の空室が発生する計算になりますが、直近の不動産投資は逆に加熱化している状況です。

結果として何が生じるのかといえば、空室率が上がり、家賃収入が減少、不動産融資の返済が滞るケースが多くなり、貸付金利が上昇するはずです。ここに至って貸家業者はローンの返済が困難となり、不動産の売却にかじをきるはずですが、安値でしか売れず、莫大な借金を背負ってしまうことになるはずです。

この最終段階にいたっては不動産価格が暴落していますので、売却したくても二束三文でしか売れないため、担保価値がなくなってしまうでしょう。最終的には家主の法的整理が多発して地銀の融資が不良債権化、相次ぐ地銀の連鎖倒産となり、銀行員は路頭に迷う結果になります。

一方で、マイナス金利の導入により地銀の収益力は減少していますので、多少のリスクがあったとしても、不動産投資用の融資をやめることはできなはずです。銀行員は担保が好きなので、不動産ローンとかはやめられないのです。

将来のバブル崩壊を防ぐために、日銀は地銀を要チェックして実態の解明に全力をあげるべきと思います。特に、複数の物件を運営している家主への融資状況はチェックしておくべきでしょう。

世間をにぎわせている東芝の決算発表ですが、明日14日に決算が発表される予定となっています。東芝は過去にも決算発表を延長しており、不適切会計を繰り返すなど何かと物議をかましている会社でもありますが、明日も再延期となれば、上場廃止の可能性が現実味を帯びてきました。

明日の今ごろには結果はすべて出尽くしているはずですが、どのような数字が出てくるのかについて注目が集まっています。

けれども、ぼく個人の予測としては、決算発表はできないのではないかという印象があります。まさか、決算発表の日に決算が発表されないはずないと考えている方も多いですが、何が何だかわからなくなっている状況だろうと僕は考えています。

一旦、不適切会計で数字をごまかしたとなると、数年前にさかのぼってごまかした数字から計算しなおさなくてはなりません。土台となる数字が間違っており、その間違った数字の上に何年も不適切な決算を積み重ねてきたわけですので、これを修正することなど不可能に近いです。

また、通常、不適切会計や粉飾を意図的にやっていた場合、証拠となる書類は隠匿、もしくは隠滅するはずですので、なおさら正確な数字を遡ることが困難になります。このような状況のなか、会計法人が承認しないというか、実質的にできない状態ではないかとぼくは考えております。

加えて、原発の損失がどこまで膨れ上がるのか誰にも想定できない状況です。この状況で決算を発表するとなれば、逆に不信感が募ってくることになるでしょう。

これらのことから導き出される結論として、明日の決算発表は中止となる可能性が高いとぼくは見ています。

その後の展開としては、現在、特設注意市場銘柄に指定されておりますので、15日には内部管理体制確認書を提出しなくてはなりませんが、決算も出せない状況になれば、確認書の出しようがないというのが実際のところかと思われます。

ポイントはこの15日にあると僕は考えており、東証が正しい判断を下せるのか、もしくはどのようにして管理体制が整ったと見せかけるのか、また会計法人は適切な判断を下せるのか、このあたりに焦点が移っていくことでしょう。