2014年12月アーカイブ

去年は日経平均株価が年初から大幅に下落し、春ごろまで株価が落ち込んでおりましたが、今年も下落基調で始まっております。けれども、1万6500円を割るような状況ではなく、底堅い展開をキープしているようです。

そこで2015年の日経平均株価をくもりなきまなこで大胆に予想してみますと、今年はヨコヨコでいきそうな気がしております。

今年は消費マインドがかなり冷え込んでいくことが予測され、直近の平成26年(2014年)7~9月期平均速報でも、実質 5.3%の減少となっております。
http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/shihanki/pdf/gaiyou.pdf

これでは株価は上がっても、消費が増えていくとは考えにくいです。もし仮に、今後は実質賃金が上昇していくとするのなら、アベノミクス2年目で最低限はプラスの結果が出ているはずですが、ふたを開けてみれば、まさかのマイナスという結果が出てしまっております。

また、非正規雇用が急増していること、2年後の消費税増税の決定、あるいは国債残高1000兆円突破による年金不安など、財布の引き締め要因がありすぎて、今後も消費マインドの減退が加速していくものと思われます。

加えて、円安の影響により、牛丼が高くなってしまいましたし、パソコンなどの家電関連もかなり高くなってしまいました。

ipadなんかも円安で1万円以上値上がりしてしまいましたし、消費税も8%になってしまいましたし、その状況で実質賃金が5.3%の減少ということになれば、ちょっと買ってみようという気はまずおきません。消費マインドが上向いていく要因が皆無といってもよいでしょう。

となると、企業の商品が売れなくなり、在庫過剰で安売り合戦がはじまるでしょうから、企業もおいそれと給与をあげられるような状況ではないと思いますし、デフレ脱却はちょっとムリっぽい気がしております。

ただ、取引先によっては、けっこうはぶりのよい会社もちらほらと多くなっておりまして、どうやってるのかは知りませんが、うまいこと儲けている会社も多いようです。

いずれにしても、日経平均株価2万円突破はやってくるものと思いますが、年内に突破するのか、もしくは1万5千円あたりまで調整しつつ、次の2万円突破をめざしていくのかはわかりませんが、円安がこのまま120円、130円まで進めば、すんなり突破してくるものと思います。

ただ、そうなってしまうと、原料を輸入に頼っている企業はバタバタ倒産していくでしょうから、そういうこともやりずらい気がします。

なので、とりあえず、2016年の衆議院選挙まではヨコヨコで推移するものとボクは予想しております。
消費税導入により、企業収益は改善していると言われておりますが、原材料を輸入している中小企業の場合はかなり厳しい状況が続いております。

一番大きな要因は円安ということになりますが、原材料を輸入し、それを加工して大企業に納品するという中小企業が多いかと思いますので、円安で原材料費が大幅に上がってしまったら、利益がほとんど出なくなってしまうのは必然といえます。

例えば、民主党政権下の円高の状況では、1ドル80円台だったわけですので、100万ドルで原材料を輸入しても8000万円で済んでいました。けれども、現在は1ドル110円前後になっていますので、1億1千万円にまで原材料費が跳ね上がり、大幅なコスト増になってしまうわけです。

そして、出来た製品や部品をそのままの価格で大企業に納品し、大企業の方ではそれらの半製品を最終的な完成品に組み立てて輸出するわけですが、大企業は同じ100万ドルで販売するにしても、以前までは8000万円にしかならなかったものが、現在では1億1千万円で売れるというホクホクの状態になっているわけです。

テレビやパソコン、あるいはカメラや自動車などを製造している大企業は、無数の中小企業が製造した半製品を集めて組み立てて商品化しているわけですので、大部分の中小企業は打撃を受けているのに対し、儲かるのは1部の輸出関連の大企業だけといえます。

そして、その大企業に焦点をあてて平均賃金を割出し、その数字を元に公務員の給与も上げている、それが現在のアベノミクスの状況といえるものと考えられます。

いわゆる「トリクルダウン」という考え方がありますが、現在の日本の経済構造でトリクルするには、大企業が儲かった分の利益を、中小企業の半製品の購入価格に転嫁しない限りはトリクルしないはずです。

けれども、儲かった分、それは内部留保に回ってしまうわけですから、トリクルダウンは発生しないものと私は考えております。これが円安ではなく、生産量が増大することによっての企業収益の増大ということならば、中小企業への発注量が増えることによるトリクルも可能性はあります。

けれども、実態でいえば、円安による要因が大きいですので、どこまでトリクルするのかについては不透明な部分が大きいです。これらを踏まえて、来年、2015年度の日本経済を占ってみますに、これ以上の円安が進んだ場合の中小企業への影響がどこまで出てくるのかに焦点が集まっていくものと思われます。